LOH治療

女性の更年期障害は古くから認識され疾患概念はほぼ確立されています。対して男性の場合、女性のような急激な性ホルモンの低下や「閉経」という具体的な変化を生じないことから「男性には更年期障害は存在しない」といった誤った認識がなされてきました。しかしながら近年、加齢に伴う血中男性ホルモンの低下に基づく生化学的な症候群の存在が知られるようになりLOH症候群と呼ばれ注目されています。

LOH症候群の症状

  • 精神心理症状
    • 落胆・抑うつ・苛立ち・不安・神経過敏・生気消失・疲労感
  • 身体症状
    • 関節や筋肉症状・発汗・ほてり・めまい・睡眠障害・記憶注意力低下・骨粗鬆症
  • 性機能症状
    • 性欲低下・勃起障害・射精感消失

最近、だるい、疲れやすい、仕事に集中できない、夜眠れないなどの症状がある方は、以下のセルフチェックを行てみてください。

LOH症候群チェック

質問 はい□
1. 性欲の低下がありますか?
2. 元気がなくなってきましたか?
3. 体力あるいは持続力の低下がありますか?
4. 身長が低くなりましたか?
5. 「日々の愉しみ」が少なくなったと感じていますか?
6. もの悲しい気分・怒りっぽいですか?
7. 勃起力は弱くなりましたか?
8. 運動をする能力が低下したと感じていますか?
9. 夕食後うたた寝をすることがありますか?
10. 最近、仕事の能力が低下したと感じていますか?

質問1あるいは7が「はい」の場合、もしくはそれ以外の8問中3問が「はい」の場合、男性更年期の疑いがあります。

男性ホルモン補充療法

  • LOH症候群の治療方法として広く行われ、一定の効果が確認されているものとして「アンドロゲン補充療法:ART」があります。男性ホルモンであるテストステロンの血中濃度は20歳代をピークに徐々に減少してきますが、この減少したテストステロンを投与し補充する治療です。注射剤または外用薬によってテストステロンを投与します。
    • 以下の患者さんには男性ホルモン補充療法は行うことができません。
      • 前立腺がんの方
      • PSA(前立腺特異抗原)が2.0以上の方
      • 肝機能障害のある方
      • 睡眠時無呼吸症候群の方
  • 問診と血液検査・ホルモン値の測定を行います。
    • ホルモンには日内変動がありますので午前中に来院してください。
  • 数日後に採血結果の説明となります。
    • ホルモン値が一定レベル以下であり、ほかに検査値の異常がない場合、男性ホルモン補充療法の適応となります。患者さんの状態に合わせて投与ホルモン量・投与間隔を決定します。
  • 注射剤の場合、3~4週おきの通院で男性ホルモン補充療法を行います。外用剤の場合には、自宅で決まった時間に男性ホルモン製剤を塗布します。
  • 治療開始後は1~3か月毎に血液検査が必要となります。
  • 治療費 LOH症候群の診断・治療は自費診療となります。

エナント酸テストステロン(薬品名:エナルモンデポー)

1回125mgを2~3週毎に、もしくは1回250mgを3~4週毎に筋肉注射します。
ご負担額:3,300円(税込)

検査

血液検査が副作用評価目的に必要となります。
検査項目:血算・血液生化学・尿検査・耐糖能・前立腺癌の腫瘍マーカー・男性ホルモンなど
測定間隔:治療開始後2~4週後・3か月後・6か月後・12か月後・以降1年毎
検査費についてはスタッフまでお問い合わせ下さい。
※初診料:3,700円(税込み)・再診料1,700円(税込)のご負担が別途必要となります
2回目以降(再診料):1,700円(税込)のご負担が別途必要となります。

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